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誰もやっていない自分だけの方法~大友良英「アンサンブルズ2010―共振」展@水戸芸術館

水戸芸術館にて、大友良英「アンサンブルズ2010―共振」展、最終日。

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エントランス近くの噴水で、すでに展示が。

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レトロなラジオやレコードプレイヤーが、水びたし。雪をかぶったのも。

内容は、こちらなどに詳しいので、ここではわたしなりの感想を。

音楽好きということもあり、サウンドインスタレーション的な展示は大好きですが、やっぱり大友良英さんの作品は、ひとあじ違っているなあと感じました。

第一印象は、意外と音数が少なくて静かなんだな、ということ。

展示や音の美しさやすごさに鑑賞者が圧倒されたりすることはなく、音や作品自体の「間」のようなものと鑑賞者が関係性をとりむすべるような、まさに「共振」の場。

ポスターなどには大友さんのほか、さまざまな協力者の名前がクレジットされています。

音を出すための技術や、作品の造形面になどに関しては、それぞれ専門の方々が担当しているのでしょう。

そういった人々のとりまとめかたに、なにか大友良英さんらしさみたいなものを感じてしまいました。

上のほうでリンクさせていただいた評者の方は、ミュージシャンの演奏のように、バンドを編成して楽曲をつくって演奏するがごとく、異なったジャンルの表現者たちと音空間を作り上げた、と書いています。

もちろんそうなのですが、大友さんはミュージシャンとしても普通ではありません。

一般に考えられるような“上手い”演奏家ではありませんし、バンドの作り方だって当たり前のミュージシャンが考えつかないような方法で行っています。

知的障害の子供たちとの共演をこころみたり、飴屋法水さんのような非音楽家をステージにあげたりしています。

そして、表面には見えない部分でも大友さん的ロジックというものがつねにうごめいている気配が、音楽から濃厚に漂ってきます。

それは今回の展示も、同じです。

小器用に王道をいくのではなく、つねにイチから自分だけの方法を考え、誠実にそれを実践していく。

じんわり勇気がわいてくる。

大友さんの音楽にいつも感じるサムシングを、今回も堪能しました。

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by wadakoubou | 2011-01-26 23:59 | 展覧会